日本人力が最も発揮されるのは”和する力”
組織力が日本人力の大きな特徴です。
その前提になるのが”感じる力””察する力”
日本人は「以心伝心」「阿吽の呼吸」という言葉があるよう、感じる力・察する力を持っています。
言葉を使わずに意思が通じ合う力を持っているのです。
昔の遊びの中には、気配を感じる遊びがたくさんあり、もともと持ってる力を遊びを通して
自然に磨いてきました。その結果、気配を感じる、殺気を感じる・・・ことが研ぎ澄まされてきました。
いろいろな会社に行くと、その会社の空気を感じますよね。それがまさに感じる力、察する力です。
現代のビジネスの世界に置き換えたらどうなるでしょうか?
例えば、部下を指導する時・・・
指導してあげているのに部下のモチベーションが下がる。同じ失敗を繰り返してしまいます。
どうしたらいいでしょうか?
研修の現場でこのような質問がきたりします。
その場合、最近はやりの答えは2種類
1.指導してはいけない。気付かせることが先決なので、気付かせるようにしなさい。
2.まず、部下が何を考えているのか、どうして欲しいのかしっかり聞くことから始めましょう。
ということになります。が、実際はどちらもいい結果を生みません。
どんどん指導してください。指示してください。しかし、その前に部下のことを”本気で育てたい”。
という意識を持つこと。そして、部下に意識を向け、部下が”どうして欲しいと思っているのか”を察すること。
部下は直感で理解しています。「この人は自分のことを本気で考えてくれているのか」「この人は自分の味方なのか」
本気で部下のことを考え、成長させたいと思い、部下に接すれば部下がどうして欲しいと思っているのか
わかってきます。
その意思疎通ができれば、喜んで指導を受けます。指示通りに動きます。
実は、今日もある企業でリーダー研修を行ってきました。
その中で行ったワークの一つが後輩指導のロールプレイ。
質問や傾聴などの基本的なスキルは説明しますが、取り組んでもらったのは
ロールプレイの相手(部下)役のことを本気で考え、成長させようと思い進めること。
わずか3時間の練習を繰り返すだけで、ほとんどの人がその意味を理解し、その力に
驚きます。
気持は伝わる。親身になってくれていることがわかると安心して何でも話せるようになるし、
一緒にどうしたらいいか、考えられる。一緒に考えるからそうしよう!と強く思える、と。
スキルやテクニックに頼らないようにしてください。
上から目線で指導しないでください。どんなに気付かせようとしても上から目線であれば
部下は気付きます。
どんなに質問のテクニックを駆使しても、本音は出てきません。
日本人は感じる力、察する力を持っています。
組織のメンバー全員が、その力を取り戻すところから”和する力”は生まれるのです。