「マネジャーが育たないんです。どうしたらいいでしょうか」
最近、このような相談を受けることが増えてきました。
マネジャーに昇進する人を減らし、既存のマネジャーを育成したい。
そんな企業が増えてきたこともその背景にあるようです。
話を聞いてみると、共通の特徴が見えてきました。
1.マネジメント専門からプレイングマネジャーに変更した
2.決裁権限を小さくした
3.若手が入らず、人の異動が少なくなった
これではマネジャーは育ちません。
まず、
1.マネジメント専門からプレイングマネジャーに変更した
・業績が厳しいからトップセールスだったマネジャーを
プレイングマネジャーにした(戻した)
大きな間違いがこれです。
マネジメント専門職よりプレイングマネジャーの方が難易度が高い。
プレイングマネジャーは難しい
のです。
野球でも選手との兼任はほぼ不可能
(スポーツは年齢の問題もありますが)
プレイングマネジャーで成功するには
高い知見とすぐれた能力、技能が必要なのです。
そうでなければ、プレイングマネジャーは
自分の業績だけみるようになってしまいます。
そうなると組織は崩壊の道を歩み始める。
組織を再編するしかないのです。
例えば、3課体制(マネジャーが3人)だった場合、
1課に集約し、課長は1人にし、あとの2人は
プレーヤーに戻す。
こうしないとうまくいきません。
マネジャーからプレイヤーが行ったり来たりできる
制度変更(運用ルールの変更)が必要ですが、
これをやらないと成果は出ません。
2.決裁権限を小さくした
・業績が厳しくなり、決裁の枠を小さくしたりなくしたり・・・。
これでは、当事者意識がなくなってしまいます。
何をするのも上司に決裁を仰ぐ。
決裁を仰いだ瞬間に責任もなくなってしまう。
これを繰り返していくと、考えることをやめてしまいます。
厳しい時こそ、決裁権限を大きくし、責任を委ねるべきなのです。
自分で決裁する=考える
これが重要なのです。
3.若手が入らず、人の異動が少なくなった
・マンネリは組織を沈滞化させます。
強制的に定期的に異動させるしかありません。
というようにマネジャーが育たない組織は、
組織そのものの問題であり、
制度に手を加えたり、決裁権を大きくしたりと
変化することができなくなっている証拠なのです。
「そうはいっても簡単にはできないよ」
と考えるサラリーマンが増えたら会社は
おしまいです。